「売るためにつくる」のではなく、
「食べるためにつくる」ことを広めます
今日の「食べものが危ない」状況をつくりだした大きな原因は、食べものが商業利益追求の道具として「大量生産・大量消費・広域流通」化されてきたことにあると私たちは考えています。
「つくる人」「食べる人」そして「運ぶ人」が対等に主張し合い、話し合い、ゆずりあって、信頼関係をつくっていくこと、人と人の信頼関係をつくっていくことが、私たちのテーマです。
本来、自然であるはずの食べ物がどんどん荒廃していっています。違法添加物使用、農薬汚染、遺伝子組み換え、BSE(狂牛病)、輸入野菜残留農薬、養殖魚、雪印牛乳食中毒、そして、食肉偽装、生産地偽装表示。どんな法律を作っても、どんなに厳しい規制を行っても、つくる人と食べる人の信頼関係がなければ、それは何の役にも立ちません。つくる人、食べる人、そして、運ぶ人の信頼関係があって、はじめて食べ物は安心して食べることができます。
農協は生産者(つくる人)の組織です。生産物が高く売れることを目指して、キレイでミカケがいい農産物を出荷することを農協組合員に指示します。その結果のひとつが「農薬漬けの農業」です。農協は巨大化し、経営優先となり、ここでは一般の農協組合員の良心の声は届きません。生産者主義では食べ物(社会)はよくなりません。
スーパーは流通業者(運ぶ人)の組織です。安く仕入れた商品を高く売ることを目指して売り出しを行います。その結果のひとつが「食品偽装表示」です。巨大スーパーは食べる人のことなど考えずに、経営優先で目先の利益を追いかけます。ここでは一般社員の良心の声は届きません。流通者主義では食べ物(社会)はよくなりません。
しかし、今日の「食べものが危ない」状況をつくりだした一方の責任は、消費者にもあると考えます。消費者の「安いもの」を求める欲求が食べものの安全性を脅かす仕組みをつくりだす原因にもなっています。安さを求める消費者欲求に合わせて、そのウラで危険な農薬や食品添加物が使用された食品が氾濫してきているのです。
ほとんどの加工食品に用いられる合成保存料・酸化防止剤は、モノを一度に大量生産・長期間保存・遠距離運搬するために、食べものの中に混入使用されます。つまり、大量につくり、長期間保存し、広域流通させることによって、モノの価格を安くしようとしているのです。当然のことながら、手づくりで、鮮度の良い食品の価格は高く(適正価格)になります。農薬も同様で、除草などの生産労働にコストをかけないために、また、広域流通でも長持ちさせるように農薬が用いられています。アメリカから船で運び込まれる農産物にはカビ防止のためにたっぷりと農薬がかけられます。これも「消費者価格を安くするため」です。無農薬のイチゴは常温2日でカビがきますが、農薬をかけたイチゴは一週間でも長持ちします。逆に無農薬で手間をかけて栽培される農産物の価格は安くはありません(適正価格です)。多くのソーセージにも赤色着色剤が使用されていますが、これは混ぜ物で鮮度の悪い安い原料を用いるために色が悪いので、わざわざ赤い肉色を着けて消費者の購買意欲をそそっています。また、長持ちさせるために防腐剤が入っていないものは、当然に価格は高く(適正に)なります。
いま、消費者に求められるのは、「安い」ものを求めるのではなく、「適正な価格で」自然で安全なものを購入していこうという意識です。
「売るためにつくる」ということと「食べるためにつくる」ということの間には、雲泥の差があります。「農家は自家食卓で食べる野菜には農薬をかけないが、市場への出荷用には農薬をかける」という話は冗談ではなく、残念ながら実際のことです。「農薬が体に危険だ」ということは生産者自身がもっともよく知っていることです。
消費者に「適正価格で食べものを購入する」ことが求められる一方で、生産者に求められるのは「自分が食べるためにつくるのと同じつくり方で、消費者へ出荷する作物をつくる」ということです。大切なのは消費者と生産者が同じ地域の中で、仲間として知り合い、顔の見える信頼関係を結ぶことです。
産直クラブでは、ただ流通・消費するだけではなく、自ら生産することを始めようと、2005年8月、熊本県菊池に直営の「菊池農場」をスタートさせました。
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